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山端寄席

2013年(平成25年)3月15日(金)

柚子さんといっしょに、左京区の山端自治会館でひらかれた「第69回 山端(やまばな)寄席」(19:30開演)を見に行きました。きょうは月亭方正さんを見に来たお客さんが多いようです。小学生から幼稚園ぐらいの子どもの姿も目立ちます。実は、僕のきょうの目当ても、方正さんです。

桂三語 「桃太郎」
月亭遊方 「飯店エキサイティング」
月亭方正 「手水まわし」
三遊亭丈二 「花見の仇討」

三語さん、ボクシングの亀田興毅に似ているとかゴリラに似ているというマクラ。確かに似てる。「桃太郎」は最後に「四つの点を結んだ四角形の面積は?」という部分が付いていました。三枝(現・文枝)さんの工夫でしょうか。遊方さんはマクラでお客さんに、「山端寄席に初めて来た人は?」と聞いていました。2~3割ぐらいが初めてのお客さんだったでしょうか。「飯店エキサイティング」は、中華料理屋を営む夫婦が店でケンカをするという話。方正さん、マクラでは、近所の子どもにピンポンダッシュされるとか、モリマン対決のゴボウは痛いという話をしていました。方正さんの落語は、いわば予想通りでした。落語そのものではなく、タレント山崎邦正がその個性で笑わせているように見えました。テレビに長年出ている人だけあって、勢いもあり、お客さんに受けてはいるのですが、緻密さがないというか、基礎ができていないというか、プロの落語じゃないなあ。変なしゃべり方とか、変な顔で、爆笑を取るんですが、落語ってそれだけのものじゃないと思うんですよね……。具体的な疑問点をひとつだけ。たらいに添えられた塩の量が、数百グラムはあるように表現されていました。歯を磨くのに、それほど大量に使わないと思います。さらに、その大量の塩を全部たらいに入れていましたが、そんな塩辛い水はとても飲めないはずです。トリは丈二さん。「花見の仇討」は、「桜の宮」の江戸版。最後はまともな落語で、ほっとしました。

きょうは、だんちさんも見に来られましたが、どうでした?
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文楽京都公演

2013年(平成25年)3月4日(月)

京都府立文化芸術会館のホールでひらかれた「文楽京都公演」を見に行きました。

昼の部(14:00開演)

竹本相子大夫 解説

桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)
 六角堂の段
 帯屋の段
 道行朧の桂川(みちゆきおぼろのかつらがわ)

夜の部(18:30開演)

竹本文字久大夫 解説

二人禿(ににんかむろ)

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
 すしやの段

「帯屋の段」は一段の中に、めちゃくちゃおもしろいところ、めちゃくちゃ腹の立つところ、めちゃくちゃシリアスなところが詰まっていて、感情を極端から極端に揺さぶられるところが、傑作たるゆえんなんでしょうね。帯屋の主人の長右衛門は、若いときには芸者と心中をしようとして自分だけ死ねなかったことがあるし、今は妻がありながら芸者やおやま遊びがやめられないし、石部の宿ではお半とイケナイ関係を持ってしまうし、意思が弱くてだらしない男の典型だと思います。お絹やお半は、なんでそんな男に惚れるんでしょうね。弱いところが魅力なんでしょうか。帯屋の段の最後の部分、三味線の音が人生を押し流す川の流れを表しているように聞こえました。長右衛門が死んでも誰一人として幸せにならないのに死んでしまったのは、流れに流されてしまったからでしょうね。 

「二人禿」は、京都島原の禿(かむろ)の女の子が、ふたりで羽根つきや鞠つきをして遊ぶ姿を描いた景事(けいごと)です。文字久大夫(もじひさだゆう)さんが解説で言っていたように、何も考えず、ただ、かわいらしいなと思いつつ見ていました。

「すしやの段」、お里が弥助に対してかなり積極的なところがいいですね。枕を寄せる場面では場内から笑いが起きていました。いがみの権太が自分の妻と子を若葉の内侍と六代君だと偽って梶原景時に引き渡すとき、苦しさや悲しさをグッとこらえて目をつぶるのですが、2列目の左側の席でしっかりと見ることができました。

「帯屋」の前半と、「すしや」の前半は、どちらも浄瑠璃は豊竹呂勢大夫(とよたけろせたゆう)さんが語っていました。今回の地方公演は呂勢大夫さんを鍛える場のようです。素人の僕が言うのもナンですが、呂勢大夫さんよかったですよ。

昼の部に、落語家の桂米二さんの姿をお見かけしました。「胴乱の幸助」の参考にしはるのでしょうか。プライベートの落語家さんに遭遇するというのも、文楽の楽しみのひとつです。

文我・宗助 二人会

2013年(平成25年)3月2日(土)

柚子さんと、大阪梅田の太融寺でひらかれた「第22回 文我・宗助 二人会」(13:30開演)を見に行きました。

桂小鯛 「看板のピン」
桂宗助 「無精床」
桂文我 「楠運平」(くすのきうんんぺい)
 (中入り)
桂文我・桂宗助  対談「ネタあれこれ」
桂文我 「権助芝居」
桂宗助 「不動坊」

小鯛さんの「看板のピン」、江戸弁のおやっさんがかっこよかったです。やってみたい気になりました。宗助さんの「無精床」、見るのは3回目ぐらいなのですが、だんだんおもしろく感じるようになってきました。文我さん、1席目のマクラで、赤坂荘から春日町への引越しのことを語ってはりました。む雀さんにトラックを運転してもらって荷物を運んだのですが、む雀さんがさんざん迷惑をかけられるという爆笑エピソードでした。初めて聞く話です。「楠運平」も、3回目ぐらいでしょうか。3軒の家からなる長屋。船場の旦さんのお手かけさんの家が真ん中で、右隣りは火消しの頭(かしら)の家、左隣りは剣術の先生の家。両隣りがうるさいので追い出そうとしたら、両隣りが家を交換することになったという話。「ネタあれこれ」で、文我さんが、きょうは名前が出てこなかったが、剣術の先生の名前が「楠運平」だと説明していました。いま上方で、宗助さんのほかに「無精床」をやっている人は、おそらくいないのではないかとのことでした。先代の文我さんは「無精床」をやろうとして、いろいろ構想を練っていたのだそうです。文我さんの「権助芝居」、これも3回目ぐらいかな。「有職鎌倉山」の盗人・権平の役を伊勢屋の若旦那が嫌がったので、飯炊きの権助が急に代演することになったという話です。オチは「一分もろうて旦那に頼まれた」。宗助さんの「不動坊」、風呂屋での妄想の場面、屋根の上でのワチャワチャの場面、とてもよかったです。オチは「ついさいぜんまで、宙に浮いておりました」。